TOP | 1 | 2 | 3 | 4 |
「事故のない社会」
大高 自転車活用推進計画が閣議決定され、本県でもいばらき自転車活用推進計画の策定を進めています。10月の中間とりまとめでは、サイクルツーリズムの推進による地域の活性化、自転車通行空間の整備、自転車事故のない社会の実現、自転車を活用した県民の健康増進という4本柱が策定されました。はじめに、自転車事故のない安全で安心な社会の実現からお話しください。小林 平成24年に警察庁が実施した調査では、自転車の原則車道通行、左側通行、携帯電話・傘さし運転の禁止などの自転車のルールについては、9割の方が知っていると答えています。ただ、知っているけれども守っていないというデータがあります。例えば左側通行しないとか、携帯を使用してしまうなど、誰かやっているから守らないという現状もあるのでは。事故を減らすには、まずは各人がルールを守らないとなかなか効果が出ないのです。
計画は住民、行政一体で
道路交通安全研究室長
小林寛氏
金 1点目は、道路利用者の行動特性とか判断能力にばらつきがかなりあることを理解することです。このことがリスクの予知につながります。2点目は年齢や発達段階に応じた交通教育をすることです。座学とともに、運転技術、公道に出ることを前提とした実践的な教育、他者への配慮、リスクへの対応を教える。現在の制度を生かして、よりよい方向に高めていくことが必要です。
宮内 スポーツ用の自転車に乗るときはヘルメットを被り、自転車保険に入る。自分の身だけでなく、相手を傷つけたり物を壊したことに対する保障ですので、入ることをお勧めします。また、自転車のサドルの適正な高さは、座った状態で両足の爪先が地面に着くくらいです。前乗り・前降りという乗り方を習得しないとサドルをその高さに調整できませんから、子どもたちには寸法合わせと自転車の乗り方も教える必要があります。
久野 高齢社会の中で、自転車利用に関して何歳で引退するかという視点も必要です。人の機能、体力は落ちていき、特にバランス能力に関しては予防効果が小さいことが科学的にわかっています。ただし、年齢で引退を決めるのには個人的に反対で、高齢者の体力は個人差が大きいので、ルールについても慎重な考え方が必要でしょう。もう一つ、安全面で歩行者の立場で見たとき、放置自転車の多さは目に余ります。自転車に対するアンチの人をつくらないという視点からも、ポジティブな面だけでなく両面から見て、自転車をどう活用していくかという発想、考え方が大事です。
TOP | 1 | 2 | 3 | 4 |